一眠り

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一眠り

もう何日も僕の飼い主は帰ってこない。 もう何日も僕はご飯を食べていない。 何日か前にたくさんの黒い服の人が僕と飼い主の家に来て。 みんな泣いていた。 僕も飼い主が見つからなくて鳴いていたのに、誰も僕に気づいてくれなかった。 お腹がすいた。 喉がかわいた。 すごくさむい。 飼い主に会いたい。 あの、暖かくて大きな手で頭を撫でてもらいたい。 そんなことを考えていたら眠たくなってた。 僕がここに来た時に飼い主がくれた毛布に潜り込む。 すごくさむくて震えが止まらない。飼い主が帰ってきたら温めた牛乳をくれるかな。 それまで一眠りするか。 寝て、起きたら飼い主は帰ってきているかな。 僕は小さな口で大きく欠伸をする。 ふわぁ。 おやすみなさい。
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