神さまじゃない君と。

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   *  それから私たちは、毎日一緒にいるようになった。  金銭的に毎日学食に行くのはつらいので、週四日は芝生の上でお弁当を食べることになった。私のお手製炒飯はいつも辛くてまずいのだけど、ミタライくんのお弁当もなかなかのものだ。毎日挑戦しているという目玉焼きは、いつ見てもどこかしら焦げ付いている。  なんだ、完璧超人じゃなかったんだ。  つい笑ってしまった。ミタライくんは神さまなんかじゃなかった。少し恥ずかしがり屋の、ただの男の子だ。  でも私にはそっちの方が心地いい。 「ありがとう」  別れ際、歩き出そうとするとまたお礼を言われた。  私は振り返ると、わざとらしく下唇を突き出してみせた。 「……〝こんなに暗くて、つまらなくて、意気地なしの僕とイヤイヤでも一緒にいてくれて、ありがとう〟?」  そう言うと、ミタライくんはぶんぶんと首を振る。 「今日も、楽しかったから……。〝楽しいお昼休みをくれて、ありがとう〟ってこと」  満足のいく答えに、思わず笑みがこぼれる。 「私もだよ。ありがとう」  ミタライくんの、無邪気な笑顔。  ——彼は神さまというより、天使だったのかもしれないな。  
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