神さまじゃない君と。

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  「私、御手洗くんと高校一緒だったの。クラスは違ったけどさ、御手洗くんのことはみんな知ってたよ。成績は学年トップだし、帰宅部なのに運動できるし、めっちゃかっこいいし。ファンクラブもあったとかなんとか」  ほえー、と間の抜けた声が出た。  やっぱりミタライくん、高校の頃から目立ってたんだ。ただ者じゃないとは思ってたけど。  急に手のひらを返すように、優奈は頬を染めている。 「えー、いいなぁ。私も会ってみたい。元気だった? 学部どこ? 友達とか、ちゃんといそうだった?」  そのミーハーな反応にむっとしつつ、ふと、ある違和感を感じた。  今、なんて言った? 「なに、それ。友達いそうって……なんで?」 「……あ、いや。なんとなく、気になって」 「ミタライくん、高校で友達、いなかったの?」  優奈は口を閉ざした。思わず、その肩を掴む。  すると優奈は、降参したように両手を顔の辺りまで上げた。 「……あんまり、こういうこと話しちゃダメだと思うんだけど」  
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