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自由奔放部
授業が終わり部活動の時間になった。私が向かうのは自由奔放部の部室。
このネーミングセンスの一欠片もない部活名は取り敢えず自由な奴らが集まったので十秒で考えた名前だ。
因みに非公認部活である。
許可を貰いに行ったら先生に却下された。
まぁ空き教室を使って勝手に活動している(遊んでいる)けど。
部員は6人。
「何その手に持ってる...ゲーム?」
こいつは霧谷遊飛。
顔が広く、顔良し運動神経良しのため色々な部活に助っ人としてよく呼ばれている。
なのでモテる。
しかしサボり魔だ。
やればできるのにやらない子YDYKだ
「お前...そんなやつ好きだったんかw」
そして何かと煽ってくる。
「私のじゃないから」
私が手に持っているのは乙女ゲーム「ドキドキ!イケメンに攻略されて困っちゃいます♡」といういかにもヒロインがふわふわそうなゲームだ。
「どうしたのそれ...絶対私らの地雷ヒロイン出てくるじゃん」
そう言って嫌そうな顔をするのは七瀬美羽。
この部員の中で一番まともなやつだ。
私らの地雷ヒロインというのは、鈍い、天然、ふわふわ....
そういった面倒くさいヒロインが嫌いなのだ。
まぁ....このゲームは題名からして絶対ヒロインはこのタイプだろう。
「他校に幼馴染がいるんだけどそいつが恋愛脳でなんか勧めてきたんだよね」
「で、自分はやりたくないけど断れなかったから巻き込んで一緒にやろうと」
「流石深風わかってんじゃん」
この察しのいいやつは鈴村深風。
美羽の幼馴染らしい。
課題は提出しないくせして成績はトップ。
やればもっとできるのにやらないのはもったいないと思う。
それを言ってもやらないが。
「嫌に決まってんじゃん」
「そんな冷たいこと言わないでくださいよ美羽さーん」
「えっでも楽しそう!」
この元気なやつは綾瀬美夜。
この中で一番明るい。
よく深風と一緒に助っ人に呼ばれている。
「一回やってみませんか?」
「流石風花!!優しい女神!」
この礼儀正しい子は涼宮風花。
美夜と幼馴染らしい。
可愛い顔して怖い発言が多々あるが可愛い。
主に私と美夜に溺愛されている。
風花がヒロインなら許せる。
いや、推せる。
「やろうぜ」
ゲーム好きな遊飛が賛同する。
「さぁこれで賛成派対反対派は4:2だ」
「ちょっと俺助っ人頼まれてて....」
「え?確かに人数足りなくて呼ばれてたけどその人学校来てたから来なくて大丈夫って言われてたよ?」
「ウグッ....」
「美夜ないすぅ~」
「私は先生にさっき呼ばれてて....」
「今日一日中一緒にいたけど先生と会話すらしてなかったじゃん」
「詰んだ」
「へへっ」
「んじゃやるぞ」
全員を巻き込むことに成功した私はゲーム機にカセットをセットした。
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