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「お姉さん、私達の意思に同意しますか。ねえ、本当は私達と同調したいんでしょ? 我慢しなくていいのよ。そうしたいくせに……ね?」
嗚呼、とうとうなすがままに差し伸べられた手を取り、その誘いの言葉に、私はまんまと頷いてしまった。
だって、もうシュークリームを取る手が止まらないんだもの。魔法のような甘い誘惑を前に、次から次へと食べずにはいられない。それはきっと、歓楽の海へ溺れてしまったから。
もう、二度とこの悪魔と離れることはないだろう。この天使のような微笑みは、私をずっと快楽の世界へと導くのだから。
「私は、テロール。こっちの弟は、コレス。よろしくね」
屈託のない笑顔が、私を奈落の底に突き落とす。
――こうして私は、堕落の道を辿る。
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