ケーキと一緒に召し上がる

3/3
18人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
「美味しい、このケーキ」 「運動後に食べるスイーツはいいもんだな」 「あっ! 今夜ちょっと激しくなかった? もう私クタクタなんだけど」 「そんなこと言って、ケーキはしっかり食べる元気はあるじゃん」 「だってせっかくのケーキ、これを食べないと今日は終われないよ」  ベッドルームからリビングに戻った二人は、紅茶とケーキに舌鼓を打っていた。  すっかり夜も更け、時計は二十三時を指している。  お互い乱れた髪も碌に直さず、下着の上からシャツを羽織っただけという姿。 「寝る前にカロリー摂取しすぎじゃない? またお尻大きくなっちゃうよ?」 「お生憎さま。私最近ヒップアップの筋トレを重点的にやっていますので。それにさっきまであんなに動いていたんだから、相当カロリー消費しているよ」 「あ。そういえば俺たち夜飯食べてないな」 「このケーキが夕食兼ねているってことでいいんじゃない?」  フォークの切っ先を蓮に向け、悪戯っぽく笑う。 「それに明日お休みでしょ? なんか美味しいもの作ってくれることに期待しているよ」  すると言われた本人は険しい顔で、何かを考えている。 「どうしたの? 明日は何か予定ある?」 「いや――。甘いもの食べたら元気が出てきた。――この後、もう一回しない?」  整った顔に真剣な瞳で智穂を見つめ、真っ直ぐ迷いなく言葉を発した。 「ケーキの前にも後にも私を食べようって言うのね――」  空になったお皿の上にフォークを置き、智穂が立ち上がった。 「私も最近執筆の調子が良くてハイになってるんだ。だから、望むところよ」  蓮のシャツを脱がせ、下半身のボクサーパンツも剥ぎ取る。蓮も負けまいと智穂を裸に剥いていく。 「食べちゃうってのは私の台詞かも。蓮のこと寝かさないし、食べちゃうから。――覚悟しなさい」 「それはお手柔らかにお願いしたいね……」
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!