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「美味しい、このケーキ」
「運動後に食べるスイーツはいいもんだな」
「あっ! 今夜ちょっと激しくなかった? もう私クタクタなんだけど」
「そんなこと言って、ケーキはしっかり食べる元気はあるじゃん」
「だってせっかくのケーキ、これを食べないと今日は終われないよ」
ベッドルームからリビングに戻った二人は、紅茶とケーキに舌鼓を打っていた。
すっかり夜も更け、時計は二十三時を指している。
お互い乱れた髪も碌に直さず、下着の上からシャツを羽織っただけという姿。
「寝る前にカロリー摂取しすぎじゃない? またお尻大きくなっちゃうよ?」
「お生憎さま。私最近ヒップアップの筋トレを重点的にやっていますので。それにさっきまであんなに動いていたんだから、相当カロリー消費しているよ」
「あ。そういえば俺たち夜飯食べてないな」
「このケーキが夕食兼ねているってことでいいんじゃない?」
フォークの切っ先を蓮に向け、悪戯っぽく笑う。
「それに明日お休みでしょ? なんか美味しいもの作ってくれることに期待しているよ」
すると言われた本人は険しい顔で、何かを考えている。
「どうしたの? 明日は何か予定ある?」
「いや――。甘いもの食べたら元気が出てきた。――この後、もう一回しない?」
整った顔に真剣な瞳で智穂を見つめ、真っ直ぐ迷いなく言葉を発した。
「ケーキの前にも後にも私を食べようって言うのね――」
空になったお皿の上にフォークを置き、智穂が立ち上がった。
「私も最近執筆の調子が良くてハイになってるんだ。だから、望むところよ」
蓮のシャツを脱がせ、下半身のボクサーパンツも剥ぎ取る。蓮も負けまいと智穂を裸に剥いていく。
「食べちゃうってのは私の台詞かも。蓮のこと寝かさないし、食べちゃうから。――覚悟しなさい」
「それはお手柔らかにお願いしたいね……」
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