第2章 緩芭の転入

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第2章 緩芭の転入

まず、状況を整理しよう。 1か月前、私は寮の部屋にあった置き手紙らしきものを見つける。そして、その日から同室の津玲那が行方不明に。 2週間前、中間テストで赤点を。 昨日、津玲那の部屋で見つけた本がきっかけで緩芭が降ってきた。緩芭に世界について教えられた。 そして今。学校にいる私の目の前には緩芭がいる。 「ソカエソユ・緩芭・ナニルデット・高穂です。えっとぉ、そこで目をまん丸にしてる麗愛さんとは仲良しですっ!仲良くしてくださいねっ。」 なんでいんのさ。 緩芭が私のクラスに転校してきたのだ。 耳の横で髪の1部を三つ編みにしている緩芭。昨日はただ真っ直ぐに下ろしているだけだったから、緩芭的にオシャレをしてきたのかなとは思う。 「って、まって?!なに勝手に私と仲良しだとか言ってんの?!」 私は机に手をついて立ち上がった。椅子が倒れる音がする。 「え?だって私たち仲良しじゃないですか?」 キョトンと私を見つめる緩芭に頭を抱えたくなった。 ていうか、あの子には沢山聞きたいことがある。結局昨日話すだけ話してさっさとどっかへ行ったから.........。 「じゃぁ、高穂さんは赤坂さんの隣の席でいいかしら。」 先生、良くないです。 周りからの視線がしんどいです。 特に後ろの席の芦鹿から。
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