麗愛の嘆き

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麗愛の嘆き

「で?緩芭、あんた何者?」  リビングにて。 暖かいココアを2人分入れた私は美味しそうにココアを飲む緩芭に尋ねる。 「はい〜、えっと、なんなんでしょお〜」 ふんわり笑う緩芭。   私は無言で首を絞める。 「わー!ごめんなさいごめんなさいごめんなさいぃぃぃぃ〜!!」  一旦落ち着いて。 「で?もう一回聞くよ?緩芭って何者?」 私は真剣に聞く。 「説明出来ないんです。なんていうんでしょうか。ここじゃない、どこかの住人なんです。」 「……」 嘘をついているようには見えない。おそらく。 「簡単に言うと私はここじゃない、別の世界から来たんです。」 そう言い、緩芭はココアを一口飲み、顔をしかめてから両手で机におく。猫舌らしい。 「それは俗に言う『異世界』ってやつ?」 「ん〜っと、異世界ではないんです。なんて言えばいいんだろお。えっと、まずこれはホントの話なんです。信じてもらえるかはわからないんですけどお、聞いてもらえますか?」 不安げに私を上目遣いで見る緩芭に私は心の中でため息をつく。 「何のことか分かんないけど聞いたげる。」
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