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「ありがとうございます」
待ち合わせ場所のカフェで、彼女北山真雪は僕からの贈り物を受け取るとそう言ってニコッと微笑んだ。
「いえいえ。さてどうしよう、これからどこに行こうか」
「えー、どこに連れて行ってくれるんですか?」
まだあどけなさの残るその顔で上目遣いをして僕の方を見た。
彼女のこういった仕草の一つ一つは僕の心を痒いくらいにくすぐる。
「ちょっと今日はクルージングデートでもどうかなと思って」
「クルージング?」
「うん。そこに港があるだろ、そこでランチを食べながらクルージングできるんだ」
「え〜、そうなんですかぁ!楽しそう!」
「そうだろ、それに船内のレストランはミシュラン2つ星らしい」
「え〜、行きた〜い」
「で夜はポートタワーで夜景を見ながらちょっとってとこかな」
「わぁ〜楽しみ〜」
「よし、じゃあそのプランで行こうか」
甘ったるい真雪の言葉にすっかり機嫌を良くして僕は立ち上がった。
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