『のろい』 3=その3

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『のろい』 3=その3

ダジャレー  『ほら、もう、返事が来た。』 ノットソン  『はやいな。光速より早くないか?』 ダジャレー  『それなら、質問するよりも、先に回答がくるさ。』 ノットソン  『国会はそうであってほしいな。』 ダジャレー  『それは、無い物ねだりという。なになに。‘’こんにちは、ダジャレーさん。‘’ 【こんにちは、クルベさん。】 みたいだな。ふん。‘’このたびは、あなた様のような有名な方からのお尋ねに、深く感謝申します。‘’ そうだろ、そうだろ。』 ノットソン  『そやつ、人間ではないな。宇宙怪物の一種だろう。』 ダジャレー  『かっーと。え、なになに。‘’われわれは、恵まれない幽霊さんなどの、心の苦しみを救う活動をいたしております。該当人物の実名などは、プライバシーの保護のため、公開できませんが、かつて、江戸時代末期に、無実の罪で、恋人との仲をゆえなく裂かれた女性が、相手の男性を探し続けております。処刑場にて、男性とさいごの別れをしようとしたものの、会話も赦されず、多大な心残りをこの世に残しました。その女性は、やがて、事業に成功し、軽便鉄道の出資者のひとりとなるなど、当時異例の出世をしました。しかし、男性の埋葬場所も分からず、おそらくは、処刑場付近に埋められたものと思われますが、まったく痕跡もなく、記録もなく、人々の記憶もなく、彼女は、生前、必死に探し続けましたが、わからぬまま、亡くなりました。埋葬された、自縛霊園は、その名の通り、幽霊さんが外出できない構造に成っておりますが、敷地の中に駅があるため、電車での移動は可能であることが、このたび、判明いたしました。ただ、ちょっとした手助けが必要で、われわれが、それを行います。向町の処刑場跡地で、恋人の痕跡を探したいのですが、いまも、ひたすら、霊園内をさ迷い続けております、そのさ迷える幽霊さんから、われわれは、このたびは、縁あっての依頼を受けたのです。もし、あなたに、可能であれば、その恋人さんの埋葬場所を突き止められないでしょうか。もし、分かったら、教えてください。お礼に、豊麗鉄道、1年間無料パスを進呈いたします。速やかに分かれば、電車に乗る理由もなくなりましょう。‘’と。』 ノットソン  『そりゃ、難しいなあ。勝手にあちこち、掘り返すわけにはゆかないしな。』 ダジャレー  『ふん。いや、ノットソンくん。意外と簡単かも。』          🚃
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