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『第7話』・・・『宇宙妖怪テン・ドン』
ノットソン
『ダジャレーくん、きたぞ、ついに。』
ダジャレー
『追手か!』
ノットソン
『いやいや、事件だ。しかも、殺人未遂だぞ。』
ダジャレー
『なんだ、未遂か。』
ダジャレーは、読みかけの本に目を帰した。
ノットソン
『被害者は、またまた、やましんさんだが。』
ダジャレーは、右手の肘から先を振りながら答えた。
『なおさら、ばからしい。あのひとに関わると、ろくなことにならない。』
ノットソン
『しかし、本人から依頼がきているんだ。地球の警察は相手にしないらしい。いいか、ダジャレーくん。やましんさんは、ふつうに、ふらふらと歩いていた。お買い物のためだ。すると、地面の中から、まるで、うどん、のような触手が延びてきて、足をつかんで、ひっぱったらしい。やましんさんは、転倒し、足を骨折した。そこに、自動車がやってきて、救急に通報した。』
ダジャレー
『うどん、のような、触手だと?』
ノットソン
『そうさ。気になるだろう?』
ダジャレー
『いやあ、まさかな。『宇宙妖怪テン・ドン』は、宇宙ごきに駆逐され、全滅したはずだ。まして、地球にいるわけがない。』
ノットソン
『生き残りがいて、最近、地球にたどり着いた、とか。』
ダジャレー
『おいおい。ならば、一ヶ月もしないうちに、テン・ドンだらけになるぞ。よし、病院に行こう。』
そこに、ドアをノックする者がある。
ノットソンが、ドアを開けてみれば、かなり、古めのロリータ・ファッションした人物である。
巨大な帽子で、顔は見えない。
謎の人物
『あの、だじゃれーさまれしか?』
ノットソン
『ダジャレ―は、こっちです。何か、おこまりで?』
謎の人物
『実は、わらくしは、こういうものれす。』
訪問者は、巨大帽子を脱いだのである。
ノットソン
『ぬああ。テン・ドンだあ。お湯。お湯!』
体は、おそらく作り物だ。
頭は、まるで、どんぶりで、その中から、うどんのような、しなやかな触手が多数、這い出しているのだ。
さらに、頭頂部には、てんぷらのような呼吸器官がある。
ダジャレ―
『まて、ノットソン。この方は、確かに、困っている。話を聞こう。』
テン・ドン星人
『あっらがとございまし。じつは、われわれ一族は、あの壊滅戦争でひたすら逃げ回り、生き残りましし。老朽化した宇宙船で、逃げたのでしが、ついに、この地球に到達ししまた。宇宙船は、壊れましし。』
ダジャレ―
『ふんふん。』
テン・ドン星人
『地球人とは、なかよくしたかたでし。しかし、もう、はらがへってはらがへって。仕方なく、ひとり、地中に引っ張ったのです。が・・・』
ノットソン
『が・・?』
テン・ドン星人
『なんち、そこに、重装甲車両が、現れまし。その仲間は、潰れまし。わたしの弟でし。ダジャレ―せんせい。なんとか、たしけてくらさいませ、』
ノットソン
『犯人が、分かったな。』
ダジャレ―
『うん。さすがは、ぼくだ。しかし、どうしようかなあ。この部屋の隣には、こわ~~~~~~い、おばさまがいるんだ。宇宙人とか宇宙妖怪を、退治する技術を持つ、血も涙もないおばさんだ。』
ノットソン
『そりゃあ、言い過ぎだ。』
テン・ドン星人
『こ、こあああああああああああ。』
ダジャレー
『君たちは、たしか、単体で増殖するよな。』
テン・ドン星人
『あい。いまは、押さえていまし。ここで、トラブル起こすと、大変し。宇宙ゴキも、しでに、もくり込んでいるとか。』
ダジャレ―
『ああ。そうだね。そうだ、どうかなあ。真面目に働いては?』
テン・ドン星人
『それあ、もう、そういうばしょが、ありましなら。』
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『新装開店。宇宙うどん。感動のお味』
ダジャレ―
『はやってるじゃないか。ノットソンン君。』
ノットソン
『ミス・テリーに助力を要請して良かったな。』
ダジャレ―
『こほん。@ まあ、あいつらの身体の触手と呼吸器官は、地球のこの国の『天丼』とほぼ同じ成分だ。しかも、すぐに多数複製し、切られても再生するからな。まさに、身を粉にして働くのさ。無茶な増殖はしないと、約束したし。』
ノットソン
『よく、保健所の審査通ったな。』
ダジャレ―
『まあ、そこは、多少費用もかかったが。今回は、ママのおごりだそうだから。』
ノットソン
『君、知らないの? 全部、君の負債になってるぜ。』
🍜
けがをした本人は、まったく、無視されたのである。
🌏
松江の夕暮れ。(だったと思います。)
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