断罪

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断罪

お夕飯にケンタッキーを食べていたらヒンヒン鳴いて強請っていたワンコが、キャウンと悲鳴をあげました。 ワタクシの隣でおっさん座りで食卓を囲んでいたワンコ。立ち上がり本格的に強奪しようとしていた気配をガン無視したワタクシの気を引きたくてキャウンと鳴いたのね。あげませんけど。 食べ終わり片づけに立ち上がるワタクシと一緒に動きだしたワンコは何故か左の後ろ足をぷらぷらと浮かせています。ケガをしたかのような。ワタクシは足を触りケガが無いか確認しますが外傷はありません。足先を触っても痛がる様子もありません。これはつまり。 仮病ね。 3日後、ワタクシは動物病院で上記の説明をいたします。仮病だと思っておりました。院長先生が、靭帯裂傷、と仰るまで、ワンコの仮病だと、ワタクシは思っていました。思っていたの。 ごめん。 ごめんなさい、ワンコ。 3日後に予約だったのは翌日は予約出来ず、最短が3日後だったからなの、とワタクシはワタクシに言い訳をします。緊急性が無いと思ってるから3日後だったのよ、とワタクシはワタクシを責めます。だけど心配だったからすぐに予約をしたのよ。仮病でも仮病しちゃうような気分がなんなのか院長先生と考えようと思って、だから、でも、犬の3日は人の凡そ2週間の長い時間なのに、痛かったのに、 ごめん。ワンコ。 ワタクシ、ワンコを悪者にしたの。仮病だなんて、痛かったのにね。食欲無いのもいつもの気まぐれだと思っていたわ。真夜中に痛む胸中は自業自得。君を疑って優しくしなかったワタクシは独り悔いるしかないわ。だってワンコは自分本位のこんなワタクシを信じてるんだもの。
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