レッツ・クッキング!

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レッツ・クッキング!

さて、今夜は油揚げのガレット風…?を 作ることになった。 「ガレットって、ソバ粉とかで作る おしゃれ〜なヤツだよね?」 「そうぢゃ。」 「でも油揚げは出てこないけど…」 「ソバ粉の代わりに油揚げぢゃ」 「ええっ?!」 「低カロリーぢゃし、油も使わない ヘルシーなオカズぢゃぞ」 「なんか…体に良さそう」 「最近太り気味ぢゃし」 「それはヨソプでしょ。その体の大きさで あたしと食べる量が同じじゃデブるよ、マジで」 「うるさい、うるさい!! レッツ・クッキングぢゃ!!!」 恭子はこのやり取りが実は好きだった。 寂しい時も、イヤなことがあった時も、 ヨソプとあれこれ言いながら 料理をすると忘れられた。 こんなに自分は寂しがり屋だったのかと びっくりしたくらいだ。 だけど、もう少ししたら元の一人暮らしに 戻っちゃうんだ…。 「ハンカチ、いるかの?」 「心読むの、やめてよね!もう〜」 恭子は泣きそうになるのを なんとかこらえて、ワザと元気な声を上げた。 「まずは油揚げをまな板に置いてぢゃな…」 ヨソプはよいしょ、よいしょと 箸を1本引き出しから引っ張り出す。 「これで油揚げを伸ばすのぢゃ」 「更に薄くするの?わかった」 恭子は箸を油揚げの上で上下に転がして 薄く伸ばした。 「薄くなったら、油揚げの短い所を2箇所と 長い所を1箇所切って開くのぢゃ」 「オッケー…。なんか包丁でやるの、難しいなあ」 「ハサミで切るとええぞ」 「キッチンばさみでいいの?これなら簡単〜」 恭子は油揚げの短い辺と長い辺をキッチンばさみで チョキチョキと切って開いた。 油揚げが四角いマット状になる。 「フライパンに油揚げを広げて、そこに ピザ用チーズをのせて、ハムを2枚置くのぢゃ」 「なんかもうガレットっぽ〜い!」 「その上に卵を割って、火をつけるのぢゃ」 「はあい」 火をつけて、フタをして、4分。 「卵が白くなっとるかの?」 「うん!白くなってる〜」 そこに塩コショウしてお皿にのせて… 「最後にパセリをパラリ、ぢゃ!!」 「美味しそう〜!!」 2つ作ってヨソプと食べることにした。
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