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2年前の夏、地球に小惑星がぶつかると世界中が騒いだあの日から、既に1年が経っている。
未だに信じられない。どんな偉い学者も、政治家も、どうすることもできなかった。
実際に余命宣告されてみて、自分の最後を知っていた方が安らぐとか、与えられた時間を大切に生きるとかいうのは、全てウソなのだとわかった。
心の奥底にあるのは、恐怖だけだ。
何をしていてもーー好きなものを食べていても、カラオケで熱唱していても、夢中で勉強していても、終末のことばかり考えてしまう。
日常生活の中の些細な事が全て、遠くない死に結びつく。
控えめに言って、気が狂いそうなのだ。
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