打ち上げ花火

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「なぁ、羽田」  おん?と寝ぼけたような声を出す羽田。俺は、声が震えないようにみぞおちに手を置いて言った。 「お前はさぁ」  二発目、三発目と花火が打ち上がる。  お前は、なんでもないような顔していつもへらへら笑ってるけどさ。  羽田はさ、 「死ぬの、怖くないの?」  激しい音と光の隙間に、寂しげな煙が揺れる。  羽田の答えは、すぐに返ってきた。 「怖いよ」
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