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第二話
第二話 別れはやっぱり寂しいもの
「じゃあ、忘れ物は無いわね?」
と母。
「元気でね〜!」
と幼馴染。本当は6年生もこの子と同じクラスになりたかったなあ。
「行くぞ〜」
と父。
「ねえねえどこ行くの?」
と妹。
「頑張ってね!」
「応援してるよ!」
そう言ってくれるのは同じ社宅に住んでいた幼馴染達だ。彼女達も来年からは中学生だな。
空港に向かうバスの中、楽しかった事を思い出していたら、目から涙が溢れてしまった。あんなに嫌な思いをして小学校卒業したのに。私の視野が狭くなっていただけで、本当は私を思ってくれてる人がいたんだな。やっぱり4歳から8年間住んでいた場所を離れるのは寂しい。
だけど同時に、新しい私の物語が、ここから始まった。
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