類友

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「はあ? 偽物ってバレた?」 「正確には和真くんだけにだけど……」 「まぁ和真くんはお調子者だからふざけて言っただけだと思うけど」 「…………」  先程からもじもじしている妹は「それと」と二枚の紙を私に見せた。 「和真くんが一緒に行こうって、遊園地……」  気まずそうに報告する妹に私は腹を立てた。  こいつ、何私の好きな人と関わり持ってるのよ!  しかもデートにまで進展してるなんて信じられない。 「貸して。当日は私が行くわ」 「え……」 「当たり前でしょ。和真くんは私だと思って渡してるんだから」  チケットを取ろうとすると、妹は紙を握る手を強めた。 「嫌です。和真くんは確かに私が貴方と別人だと知っている。彼は私を望んでるんです」 「私が望まれてないみたいな言い方するな!!」  私が妹を突き放すと、妹は叫んだ。 「お父さん、お母さん! 助けて!!」 「……は?」  妹の声を駆けつけてやって来た両親は突き飛ばされた妹の方へ駆け寄った。  妹は泣きながら訴える。 「()が私を急に突き飛ばしたの! もう嫌、こんなロボット家にいらない……」 「ちょっとあんた、なに言ってるのよッ」  本物は私でしょ!?  必死で叫ぶ私を両親は冷たい目で見ている。 「やっぱり最新型でもロボットはバグが起きるか……」 「こんな危ない子、返品どころか処分行きね」  恐ろしい事を言い出す両親はもう私のことを(ゆい)だとは信じてくれない。  私になった(むすび)はこちらを見て笑っていた。 『どちらが本物なんて、私や貴方が決めることじゃないでしょう?』  そう言っているように聞こえた。
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