類友

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 我が家の最新型ロボットはバグを起こしたことにより返品された。  主を傷つけるという大変な故障により、この後処分場へ送られるそうだ。 「綺麗だね」 「うん」  私は和真くんと遊園地のパレードを見ていた。  夜のパレードは柔らかく光輝いて遊園地全体を照らしている。 「(むすび)とは縁を感じていたんだ」 「そうね、私たち『同じ境遇』の仲間だものね」 「これからはお互い本当の幸せを手に入れよう」  パレードの着ぐるみたちはおどけて踊る。  まるで踊らされているような滑稽な躍りを見て、偽物の私たちは幻想的な光に包まれ肩を寄せあうのだった。
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