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そう言って、市川さんは私に手を差し出してきた。
男性と関わったことなどほぼ無い私は頭の上に「?」マークをたくさん出していたに違いない。
しかし、反射的に手を取って立ち上がっていた。
彼の手が私の指を絡め取るように繋がれる。俗に言う恋人つなぎというやつだ。
恥ずかしくて耳まで赤くなっていたのではないだろうか。
「行くって、どこへ…?」
私の質問に彼は答えた。
「このあたりに美味しいイタリアンのお店があるんです。まずはそこにでも?」
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