6人が本棚に入れています
本棚に追加
/57ページ
そんなこと知らなかった。
通学で毎日のように通っている町だったのに。
学校が終わればまっすぐ家に帰っていた上に、グルメなど微塵も興味の無かった私に知る由はなかった訳だが。
それでも、少しだけほんのちょっぴり悔しかった。
隠れ家的なイタリアンのお店で私たちはランチをした。頼んだ品が来るまで、私は時計で計ったようにきっちり5秒おきに冷水の入ったコップを口に運んでいた。
情けないほどに緊張していたのだ。
最初のコメントを投稿しよう!