出会い

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彼は、風変わりな男性だった。  まるで、あの絶滅への道を歩んだドードー鳥の最後の一羽みたいに、失われてしまった人間の美徳である何かを、たったひとりで継承していた。 すごく無垢で、だからとても傷つきやすくて、宇宙ロケットで地球の周りをぐるぐるまわったライカ犬のように、彼は澄んだ怜悧な目で世界を見渡していた。  彼と出会ったのは20歳の秋だった。
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