出会い

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母の諸々の都合で、私は小学校時代に幾度も転校を繰り返していた。 私たち一家はあちらに居を構えては、今度はこちらと、いつでも次の場所を目指しながら日々を送っていた。母の投げるサイコロの目の数だけ町を、村を越えていった。その間に父を病魔に奪われもした。  そんな訳だから親しい友人が出来るわけもなく、真の友情の意味を知ることもないまま、恋慕の情すら知らないまま、陰湿ないじめと母が惚れた(もしくは母に一方的に惚れた)男性に罵られ、邪魔者扱いされ、時には暴力を振るわれながら私は足早に青春時代を駆け抜け気がつけば専門学生になった。
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