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彼は彼によく似た誰かではなく、クローンでもなかった。彼は彼そのものだった。
私も写真を送った。「髪も伸びて大人っぽくなったね」と送られてきた彼からの文に私は赤面した。数日後に出会う約束をしてその日のLINEは終えた。
数日後、私は車で680㎞離れた彼の家まで車を走らせた(初心者マークも取れていないのにだ)。
我ながらなかなか無茶をしたものだと思う。彼はアパートの前で待っていた。私はふらふらの身体を車から降ろすと、
「将生…さん?」
こらえきれずに、震える小さな声で彼を呼んだ。
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