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しかし、私と会ってその気持ちがなくなり、生きようと思えるようになったこと。
しかし、この病をもって居るせいで、私に迷惑をかけたくないから別れを選んだことを。
「…と、こんな感じ」
彼は話し終わると、ふぅと息をついた。
「驚いた?」
彼が訊いた。
専門学生の頃、授業で聞いたことがあったり、ニュースで聞いたことのある病気だったけれど、まさかこんなにも近くに居るとは思わなかったし、ましてや自分の付き合っていた人が…もとい、付き合い直そうとしている人がそうだとは思わなかった。
「正直、驚いています…。でも、私はそんなことで離れたくありません」
彼の瞳を、怜悧なその瞳を見つめながら私は言った。声は震えていたと思う。
怖かったから。彼が、ではない。自分の思いを伝えるのが怖かった。
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