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未来への約束
「結婚しよう、日和」
人にはすごく意義深い瞬間というのがある。
私にとって、この時がまさにその瞬間だった。やがて私の夫となる彼にとってもそれは同様の意味を持つ。
なのに、彼はこの時自分が口にした言葉のほとんどを憶えていなかった。
全く無自覚のうちに、彼は自分の生涯を決める言葉を口にしたのだった。
すごく面白いことだと思う。
彼の人生は彼が決める。そして、彼は私と歩む道を自ら選んだ。それを私が薄っぺらな独善で拒絶するのは傲慢というものだ。
先には何があるか分からない。幸せだってきっとどこかには転がっているはずだ。
二人でそれを探すのは楽しそうだった。
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