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「薬……将生さんと、私の……余ってたやつ」
思うように呂律が回らず、ゆっくりではあるが、たしかこんなことを言ったように思う。
私の手を握る彼の手に、ぎゅっと一層力が込められる。
怒りも悲しみも安堵も…全て込められているように感じた。
胃洗浄が有効な時間はとうに過ぎていたらしく、意識が飛んでる間に、わけのわからない点滴を何本も打たれたらしい私の腕には点滴の管が繋がっていた。
点滴が終わると、私は家に帰された。ベッドの上でぼんやりしていると、リビングから彼と彼の両親が言い争っている声が聞こえた。きっと私のことだろう。
翌日、私はかかりつけ医の心療内科に彼と共に行き、地元へしばらく帰ることになった。
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