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地獄を見てきた少女の話
コンビニに寄ってから家に帰った。
冷たい弁当をお茶で流し込んでシャワーを浴び、ベッドに入る。
電気を消してから、事務所から送られてきたファイルに目を通した。
《名前:雪代うらら》
意外なほど神経質で繊細な字だった。
ファイルが送られてきたと言うことは、ユキシロと言う少女の依頼が正式に受理されたと言うこと。
これから検察局にダイブを申請し、承認後一週間ほどで記憶チップが送られてくる。
《母の最期を客観的に見たい》
申請書類の備考欄に掛かれた申請理由を見て、溜め息を吐いた。
ダイブで覗く記憶は、動画サイトのようにダイジェスト化はされていない。つまりいつどの時点から閲覧が始まるかは、全くのランダムだった。
(厄介だな)
なにより、当日のダイブ担当者の欄が空欄になっていることは、気がかりだった。
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