おかえりあなた

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私はあなたの部屋にいる。 大好きなあなたの部屋に。 一人暮らしの殺風景なワンルーム。大好きなあなたの匂いに囲まれてるの。 あなたは気づいてないかもしれないけれど私はめんどくさがり屋のあなたのために毎日ここに来て掃除も洗濯もご飯の支度もしてるのよ。 あなたは実家のお母様が来てやってくれてると思っているようだけど。 でもいいの。私が掃除した部屋でくつろぐあなた、私が洗濯した衣服を身に纏うあなた、私が作った料理を美味しそうに食べるあなたを見るだけで私はとっても幸せ。 いつもはこっそり家事して見守ってるけれど、今日はあなたと出会った記念日。盛大にお祝いしないといけないよね。 豪華な手料理も用意してあなたの帰りを待つの。 だって私はあなたの未来のお嫁さんだから。 俺は知っている。 彼女が俺の部屋にいることを。 いつからだろうか、帰ると毎日部屋が綺麗になっていて洗濯もご飯も出来ている。 最初は過保護な母がやってくれてるのだと思ったが、どうやら違うらしい。 気になった俺はこっそり監視カメラを仕掛けた。 そこに映っていたのは美しい女性が俺の部屋の家事をする様だった。 普通ならストーカーで警察に届けるが俺は違う。 俺は毎日自分の部屋に監視カメラを用意し彼女が部屋に来て家事をするさまを観察した。 愛おしい彼女。今日は君が俺の部屋に来て1年の記念日だ。 うちには出会っていない未来の嫁がいる。 俺は早足で帰路に着いた。
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