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「やぁだー。カスミの彼氏ったら超ヤバイ」
「土下座までするなんて、カスミめっちゃ愛されてるじゃん」
「だって他の女と歩くなんて許せないもん」
「それでどうしたの?」
「うん。それでね、彼に言ったのよ。ポーキーのバッグくれたら許してあげるって」
「うっそ。あれ最低でも30万はするよねー。え? まさか今流行りの85万のウルシポーネのバッグとか言わないでしょうね?」
「そのまさかよ」
「えぇーーっ!」
ムダに大きな声だっだから僕も覚えている。改札を出たとこら辺で女性3人がリアクション大きめで立ち話をしていたんだ。
「はいはい、ちょっとどいて。悪りぃね。悪りぃね」
兄ちゃんは包丁で何かを切っているみたいに右の手のひらを縦に動かして、人の間をグイグイ割って入ってったけど、僕はその後をついていく勇気はなかった。
「あのさ。こんなとこでくっちゃべってたら邪魔だろ。端っこ行きなよ。わかんだろ?」
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