平日、昼間のヨメの顔 〜うちに、壁に根を張るヨメがいます〜

オット、集中できず。

　いかん。仕事もしなくては。
　と。チョコを食べ終えたヨメが、のそのそとトイレへ立った。
　同時に俺の目に入る、とあるクリニックからの封書。【健康診断結果】と印字してある。
　俺は、構わず封を開けた。無造作に床に落としておく方が悪い。

　平日昼間、ほぼ動かずに根を張っているヨメ。
　絶対に太っているはずだ。
　数字を突きつけてやればいい。
　ヨメとて、体重増加や体型変化は気になろう。

　な、何故だ──！？

　診断の結果は、昨年の結果と今年の結果が比較できるよう並べて表にしてある。
　体重は、１gも変化していなかった。
　何故、根っこの分がプラスされていない！？

　納得できないまま、昼食のおにぎりを食べる俺。
　おにぎりは、朝食作りのついでにヨメが握ってくれたものだ。
　米が足りない時は惣菜パンになる。

　ヨメは、おにぎりを少しかじったのみで、文字の入力に余念がない。
　定位置で根を張ったまま──。