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俺たちの可愛い可愛い娘、なっちん。
小学校からお帰りだ。
「なっちん! おかえりなさーい」
スポッと立ち上がるヨメ。
愛する娘のためならば、身体も軽くなるらしい。
手を洗った“なっちん”が、俺にくっついてくる。
「とーちゃま!」
「なっちん!」
ピンク色のほっぺも、耳も冷たい。外は寒かっただろう。
なっちんを暖める俺。
至福の時。
「とーちゃま。お仕事、おつかれさま」
なっちんは、デスク上に広げられた俺のノートパソコンを見て言った。
押し寄せる罪悪感。
今日は仕事が進んでいない。
ヨメに出してもらったプリンを食べ、なっちんは早速宿題を始める。
尊敬に値する。
ヨメも、なっちんのためならサクサク身体が動くらしい。
「とーちゃま、かーちゃま。なっちんは水泳教室に行ってきます」
この極寒の中を。
なっちんは、身体を動かすのが大好きだ。
ヨメに似なくて良かった。
「気をつけてね、なっちん」
ヨメが玄関まで送り出す。
近所の水泳教室。
最近、なっちん一人で歩いて行けるようになった。
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