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「大したことじゃないよ。」
「それでも知りたいの。」
そう言うと夫は私の手を優しく握った。
「『瑠渚と出逢ってから、俺が見てたのは瑠渚だけだよ。これからもずっと・・・。』って。ほら全然当たり前のことだろ?現に今もそうだし。」
そう言って笑った夫の瞳は相変わらず澄んでいたし顔も美しいままだったけれど、歳を重ねているのがわかる。私も彼と同じだけ隣で歳を重ねてきて、これからも共に時を刻んでいく。その事実が娘の存在と共に私にとっての生きる糧だ。
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