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粘着質な水音が響く家の中。
悲鳴と笑い声と怒号が飛び交い、鮮血が跳ね、肉が踊った。
狂気のままに願いを叶えるための薪を喰らったキョーコは、制服にこべりついた血肉を落とそうともせずに、血塗れのスマートフォンを手に取ってリンコを呼び出し、鍵を閉めずに家を出た。
まだ夜だと言うのに、学校に向かうみたいにゆらゆら、ゆらゆらと何も持たずに歩きながら。
血でところどころ隠れた画面には、こうある。
明日、学校をサボってお茶に行こう、リンコちゃん。いつものあの広場で待ち合わせて、一緒にデートするの!楽しみっ。
――と。
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