俺の家にいる、愛しい人。

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「い、いつから見てたのか知らないけど、いや、これはさ、違うんだ!誤解だから!俺は何もしてない…とか言ったらアレだけど、智佳も悪くないというか、きっと気の迷いっていうか…」 この張り詰めた空気の部屋に、必死に弁明する、俺の不必要に大きな声だけが虚しく響く。 もう最悪だ。涙が出そうだ。俺が大切にしてきた結也への気持ちも、これでもう届くことは絶対になくなった。かと言って、ここで起きた智佳の行動をありのまま伝えたとして、結也に信じて貰えるかも分からない。智佳の事を罵るようなことを言うのも、恋人の結也を結局傷付ける。 もうどうにもならない…。 俺は絶望し、目を閉じた。 「どうぞ、続けて?」 絶望的な状況の中、声を発したのは、結也だった。 「いいじゃん、興奮するわ。」 「は?お前何冗談…」 思わず俺は目を見開いて、結也の方を向いた。言い返しかけたその言葉は、途中で遮られた。 俺の唇は、智佳の唇で塞がれていた。 そのまま全裸の智佳が、俺の背中に腕を回してきた。もうやめてくれ、こいつの前でこれ以上、その手を振り解こうとした結果、俺は後方によろめいてしまった。 「おっと。」 すかさず結也は俺の背後に回り、倒れかけた俺を抱き止めた。初めて背中に触れる、結也の胸元の広さと体温が、こんな状況だというのに俺の頭を蕩かす。 後ろから抱かれている体勢のまま、俺は結也のしゃがむ動きに導かれ、床に座った。 後ろにいる結也が、腕で俺の腹部を、足で俺の両足を挟み込んでくる。俺は体育座りのまま、動くことができない。 結也の顎が、俺の肩にそっとのる。息遣いまで分かる、今までに経験したことのない、物凄く近い距離だ。 結也の手がそっと、俺の下半身に伸びた。 「あっ…」 予想もしていなかった突然の刺激に、俺の身体が跳ねた。 俺の一部は当然の反応を示す。今後の関係のためにも、今すぐこの手を振り解いたほうが良いはずという理性の声が、かすかに聞こえた。しかし、長い間我慢に我慢を重ねてきていた俺の本能は、もう限度を超えていた。 「いいじゃん、その顔。エッロ。」 手の動きは止めないまま、俺の耳元で結也が囁く。 「くぅ…。」 耳からの刺激が俺の身体をさらに狂わせ、思わず声が漏れた。視界に入る結也の熱っぽい表情は、俺の胸を一層掻き乱した。 お前もだよ、 俺にそんな表情見せるなよ… 彼女だっているのに、男の俺の反応でお前が感じるなんてこと、あるのかよ… わけわかんねぇけど、この感覚は、お前に触れられてる刺激は、たまんねぇよ… 「うっ…あ…」 悶える俺をそのままに、結也は俺の下半身の着衣を、全て取り去った。
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