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【其の9】拗ねる鉄
火照った身体をバスローブで包み、化粧水で肌を整えていると背後から彼が声をかける。
「もう、そろそろ他の土地に行けば?」
彼は時々、こんなことを言う。
私が、住む場所にも、人や物にも執着をしないことを知っているからだ。
「そうね、私はどこでも生きていかれるから住む場所はどこでもいいんだものね。」
私がそう言うと、彼がベッドに潜り込む。
身支度を終え私が彼の左側に身体を滑り込ませた。
その途端、彼が右腹を下にして私に背を向ける。
「意地坊…。」
私はそう言いながら彼の左耳を甘く噛んだ。
意地坊は彼が拗ねた時の呼び名である。
彼は、たまにこうして私の意思を確認するのだ。
まるで子供みたいに駄々っ子になる彼の首筋に舌を這わせると若い燕が息を荒くする。
左手を彼の腰に回すと、すでに鉄の硬さになったモノが手に触れた。
軽く扱くと、彼が私の上に体重を乗せ激しく唇を奪う。
彼の身体が私の太ももを割って入り敏感な部分に硬いモノが当たると、着衣のまま淫部を擦り合わせる。
その瞬間、互いの体温が一気に上がるのを感じ彼が私の胸を弄る。
「んん…あゝ。」
私の体は彼の手が触れると瞬時に熱を帯び桃色に染まる。
着衣を脱ぎ捨てて再び抱き合うと、
「すごく熱くなってる。」
私の敏感な部分に唇を寄せた彼がそう言った。
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