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【其の3】籠中の鳥
一頻り熱い時間を過ごすと、私は再びパソコンに向き合い仕事を始めた。
宣言通り、彼は仕事をする私の姿を眺めたり携帯電話を操作したり、穏やかな存在感を醸し出してしている。
確かにそこに人がいる安心感があるのに邪魔をしない静けさが心地良い。
それがきっかけで、彼とは素顔のまま私の自宅で抱き合うようになった。
まるで飯事のようなその時間は、時に私が飼い主となって籠中の彼に餌をやり、彼が私の心と身体を啄む。
鳥と化した私は、迷い込んで来た若い燕に何度となく快感の鳴き声をあげさせられるのだ。
彼と過ごすベッドという止まり木は、いつしか甘やかでエロティックな空気感を纏っていた。
いつまでも、このまま二人だけで鳥籠という世界に籠っていたい。
そんな幸せな気持ちにさせてくれる時間が、そこには流れていた。
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