8人が本棚に入れています
本棚に追加
【其の7】疼きの衝動
生まれたままの姿になった私たちは共にバスルームにいた。
私が髪を洗い身体の泡を流していると彼が手を伸ばす。
シャワーを手渡すと、彼が私に水滴を当てながら手の平で優しく胸やお腹を撫でた。
私は太ももに力を入れる。
泡を落とすためだと分かっているのに、彼に触れられると身体の芯が熱くなるのだ。
「ありがとう…。」
ボーッとする意識の中、疼いた気持ちを抑え湯船に浸かりながら手早く髪を洗う彼の姿を眺める。
細身なのに肩や腕に程よくついた筋肉と、引き締まった胸板や腹筋が美しい。
彼の身体を見ていると、少し収まりかけた気持ちが再び高まってくる。
ほんの少し後に、あの腕に抱き締められると思うと、どうしようもない衝動が湧き上がってくるのだ。
顔の水気を払って、切長の目で私を見つめる彼の視線に、私はまたとめどない疼きを感じた。
最初のコメントを投稿しよう!