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『みるく茶屋』から恐竜博物館まで6キロ強、1時間くらい歩くと言ったら、アンリがタクシーを呼んでくれた。
タクシーに乗るなんて椿姫も珠樹も初めてだから、少し緊張しながら、姉妹で後部座席に座る。
そして、ついにやって来た恐竜博物館は、もうミュージアムじゃなくて、アミューズメントパークだ。
まず地面の中に飲み込まれて行くような長いエスカレーターに乗って地下に降りる。
カブトガニや翼竜の骨が壁を飾る地下通路を歩き、ゆるくカーブを描く階段をのぼれば、見渡す限りの骨格標本に囲まれる。
その次は、大迫力の対面型シアターだ。
映像で恐竜たちの弱肉強食の世界がリアルに描き出される。
その向こうには、動く小型恐竜に草食恐竜が襲われたり、のんびり水辺で草を食むステゴザウルスがいたりする、恐竜のサファリパークみたいなコーナーがあって、全部ロボットだけど、肌の質感とかリアルで、まるで自分も恐竜時代に迷い込んでしまったような感覚に襲われる。
たくさんの恐竜たちを収めた丸い卵形のドームの中には、常に恐竜たちの鳴き声が響き渡っていて、恐竜博物館が初めての珠樹は、ずっと目をキラキラ輝かせていた。
「お姉ちゃん。あっちにアンキロサウルスがいるよ!」
そしてさすが恐竜王国日本一の福井に生まれた小学生。
意外に恐竜の名前も知っている。
化石がクリーニングされる様子を眺めていたり、カフェ&レストランで恐竜オムライスを食べたりしていたら、あっという間に時間が過ぎていった。
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