《弐》偽リノ愛情

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《弐》偽リノ愛情

「おつかれ〜、早く帰って布団に直行だわ」 「あぁ••••••何の気力も起きないな••••••」 「それじゃ、また明日〜。目、お大事にな〜」 結果報告書を鳴瀬大佐に提出したところ『帰って一日休め』と休暇を出された。私と霧江は二人して最後の力を振り絞り帰路に着く。霧江にはとだけ言ってある。 鬼神に契りを交わさせられたなんて死んでも言わない。その為、契りが解消されるまで眼帯を付けておくことにした。怪我人がする普通の白い眼帯だが、これでも十分にアレは隠せる。 私は現在、和泉さんと住んでいた家に独り暮らし。和泉さんとは十五歳までは一緒に暮らしていたけれど、『年頃の女の子と暮らすのには配慮とかいるよね』と言って本部に近い場所に引っ越して行った。 亡き父の同僚と言うだけあって、大将として働く和泉さんの家は、実家と同じような大きさであり平屋であっても独りでは持て余す程だ。 (お風呂••••••どうしよう。一回寝てからでも良いかな。けど、汗でベタベタして気持ち悪いし) お風呂に辿り着くまでに寝そうで怖い。段々と眠気で視界がボヤけてきた。 玄関まで着き、引き戸を開けて『ただいま』と声を掛ける。いつもは返事なんて返って来ない。しかし、私は大事なことを忘れていた。 「漸く帰ってきたか、が••••••陽」 「今、"餓鬼"って言おうとしただろう」 憎らしいがいることを。
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