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その女性に続いて、小動物を連想させるような高校生くらいの少女と犬の飼い主らしき長身の女性が挨拶をくれた。
「こんばんは」
「にーちゃん一人? おねーさんたちとランデブーしない?」
「ちょっと。ミオ。すみません。お兄さんはキャンプですか?」
Tシャツの女性を静止して長身の女性が小町に訪ねる。
「ああ、向こうのコテージの前にテント張っていてね」
「そうなんですか。私たち初めてここに来たんです。綺麗ですよね」
「そうですね。あ、そうだ。俺人を探しているんですけど、ちょうどこの鴉のようにアルビノの少女をこの湖畔で見たことないかな」
「……私は、ないかな。ミオとヒナさんはあります?」
「ウチはないな」
「ワタシもないですー」
「そうか……」
小倉の問いに三人とも淡々と答えた。知らないのならば、ここにいる意味はない。彼女たちの園にこれ以上お邪魔するわけにはいかない。
「お邪魔したな」
「じゃーね。ウチはいつでもウェルカーム」
「ミオさん……」
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