ハルとイク

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ハルとイク

『保険ゲーム』の記憶は曖昧であるが、中学校の校舎が火事になり、悪霊に取り憑かれた生徒が死のゲームを加速させて数人の生徒が焼き殺された。  超常現象は恐怖心による妄想に過ぎないと著名な心理学者は否定したが、あれが悪夢だとしても、二人の生徒の活躍で自分達は助かったんだと信じている生徒が少なからず存在した。  卓郎もその一人であり、忘れ切れない夢の中の落とし物を探しに、中学校の同級生を何人か辿り、剣道部の後輩を紹介され、二人とも同じ大学の生徒になっていると聞き出した。 『星京大学二年生、姫野郁恵。美味しいランチをご馳走してくれるなら、会ってもいいってさ』  連絡を取ってくれた彼女の友人からLINEのコメントがあり、卓郎は大学付近の人気のレストランを予約して面会すること事になった。
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