犯人は人質と会話する

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犯人は人質と会話する

室内には大富含め、3人の男女がいた。 「ちょっと大富くん。大富豪っていうのは配られたカード内でやるもので、欲しいカードを人に持ってきてもらったらだめよ」 大富の仲間の矢霧(やぎり)という女性が注意をする。 「ていうかキング3枚持ってるんなら強い手札でしょうから、革命しない方が簡単に勝てると思いますよ」 人質としてここに連れてこられた伍鳶(ごとび)も口を挟む。 「キング以外4とか5とかしかないんだよ」 「手札ばらしちゃってますけどいいんですか?」 「とりあえず大富くんにはキングの3枚出しさえさせなければいいから、私と伍鳶さんの一騎打ちってことね」 「なんでだよ。俺が嘘ついてるかもしれないだろ」 「いや、ないわね。大富くん嘘つけないもの」 「そうですね。僕をここに連れてくるときも真正面から『今人質を探してるからお前ちょっとついて来い』って言われて、ここまで連れられてきましたし」 「そんなこと言われて着いて行く伍鳶さんも大概変な人だと思うわ」 言いながら、矢霧が最後の1枚のカードを場に出した。 「はい、これで私の勝ちね」 「いや、待ってください! これ8じゃないですか?」 伍鳶が矢霧の勝利に待ったをかける。
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