パニック

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パニック

 授業が始まっても美樹は戻って来ない。  __お腹が痛いのかな。ずっとトイレに居るのかもしれない。その程度にしか思ってなかった。直ぐに帰ってくると思った私は、気を取り直してノートを書き続ける。  _______しかし、授業が始まって数分後、警告音が鳴り響く。地震は起きていない。一体何が起きたんだろう。  すると、校長先生は放送で思いも寄らない言葉を言った。 「人が倒れています」  もしかして、美樹が戻って来ないのは__。そう思い、窓から外を見てみると、そこには血だらけの美樹らしい人が倒れていた。  …………………嘘でしょ!?!?!?   頭がパニックになり、私は授業中だというにも関わらず、校庭に向って無我夢中で走った。  __落ち着け、私__。あれはきっと美樹ではない。大体、この学校の校則は厳しいから、美樹と同じ髪型の人は沢山いる………。だから、だから………。  美樹……………貴女だけはいなくなって欲しくない……………。どうか私の幻であって………。
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