2章─2 三分間の思考

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2章─2 三分間の思考

もう人とバッタリ会う可能性がある位にまでは舗装された道に降りてきたと思う。 これまでに僕はボールを見つけては打ち、また探すのヒットアンドアウェイ作戦で、奴には計5発の攻撃を当ている。バレーボールが1つ、野球ボールが3つ、サッカーボールが1つだ。よくもまあこんなにもボールが落ちていたものだと関心、否 目くじらを立てたくなる。だけれども、依然として奴は倒れることはあれど歩みを止めることはない。 しかも、奴は両足が無いのにもかかわらずだ。最初僕はまず怪物の動きを封じようとした。結果それは成功したのだが、怪物は逆立ちして腕を脚代わりにしたのだ。これには思わず帽子を脱いだ。 どうやっても僕を諦めてくれそうにない。 僕にぞっこんのようだ。 正直僕が能力を発揮してからは形勢逆転状態であるのだが、これだけボールを打ち込んでも僕に向かってくるあたり、両足に続き両腕を潰しても僕に向かってきそうな気概を感じる。 だが奴にもHPという概念はあるはずなのだ。そこで重要になるのが、奴は核を持つタイプなのか、継続的にエネルギーを供給されているタイプの遠距離型兵器かどっちなのかというところだ。 だがこれはある程度推測が立っている。 奴は体に核を持つタイプである、というのが僕の考えである。別になんの根拠も無く言ってるわけじゃあない。理由は単純である。 まず核タイプとエネルギータイプでは、操れる範囲に違いがある。そうなるとエネルギータイプは核タイプに比べて、怪物のご主人様は割と近くにいなければならない。だからエネルギータイプを操る者は自分が襲われることを頭に入れておかなけらばならない。そこであの鈍重な奴がご主人様を守れるとは思えない。さらに、エネルギータイプならば奴の体が回復する可能性もあるのだ。しかし現在やつは両腕で歩いている状態な訳で、つまりあれは完全に僕を倒すことのみを目的とした独立した核タイプの兵器であるといえるのだ。 けれども、やはり憶測の域を出ないことは確かである。それでも希望的観測になるのだが、奴の体の大半は残ってる訳だから核がどこかにあっても不思議ではない。 さらに付け加えるなら、相手がエネルギータイプであればもう僕にはどうすることもできないからなのだ。 だから僕は核タイプと思って戦うしかない。 1つ最悪の想像としてはエネルギータイプの兵器であり、射程範囲が僕の手が届かない程の範囲だった場合である。 まあこれは萎えるだけだからあえて考えないようにしよう。
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