第五章

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好きな人に手料理を食べてもらえる瞬間って緊張するな……。 ドキドキソワソワしながら反応を見ていると、先輩の目が見開き私を見つめる。 「うまい!」 「本当ですか!」 「ああ、このだし巻き卵なんかマジでうまい。めちゃくちゃ俺好みだ」 心底安堵した私は、両手でガッツポーズを作りそうな勢いで喜んでしまう。 そんな私を見て、先輩は次々に料理を口に運んでくれた。 安心した私も食べ始め、和やかな雰囲気で夕食の時間は過ぎる 。このワンルームの部屋で誰かと食べるご飯は初めてだ。 それが先輩でよかったな……。 それがこの時間で抱いた気持ちだった。 そして、夕食の時間も終わり、陸さんほどうまくはないけれど、コーヒーを淹れて先輩に渡す。
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