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しかし、案内をしてくれた社員の女性から聞いた話では、私の担当をしてくれるのはこの南輸入会社の社長の息子で御曹司という立場の人らしい。
回りからはかなり羨ましがられたけれど、その時、内心(えぇ~御曹司なんて仕事のできないヘラヘラしたお坊ちゃんじゃないの? そんな人の話を聞いて、意味があるのかな?)なんて思っていた。
だけど、それは相手の顔を見た瞬間に、すぐに消えてなくなった。
「あれ? 悠人先輩だ」
「よぉ。久しぶり」
私の担当は、同じ大学に通っていた時の三つ上の先輩、三並悠人先輩が私の担当だった。
元バスケ部だった悠人先輩とはバスケットボールのサークルが一緒で、私も元バスケ部だったから、気が合う間柄でいつもたわいない話をしていた関係だった。
そんな人がスーツを着て、髪もばっちりまとめてできる男ふうな出で立ちになっている。
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