君の匂い

2/4
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
偶然、海が一緒にいなかった。嫌な笑顔をしたいじめてくるあいつが囁いた。 「放課後、屋上の手前の踊り場に来い。来なかったら殺す。海に言っても殺す。」 怖くて頷くしかなかった。 放課後の踊り場。一緒に帰ろって言ってくれた海に適当に嘘ついて、一人で来た。   あいつは、何故か顔を赤くして何か言ってきた。いつもは一緒にいて、俺を虐める取り巻きが誰もいなかった。顔が近くて、あいつの匂いが強くて、頭がくらくらした。上手く返事をできない俺に業を煮やしたのか、急にイライラし始めたあいつは、俺のマスクを剥ぎ取って、口を近づけた。気持ち悪くなって、何が起こるのかわからなくなって、強く目を瞑った。ふと、背中に衝撃が走る。何も、わからなくなった。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!