――THE GAME CONTINUES......!!――

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 ショッピングモールに続いて歓楽街でのデートを二つこなし、蒼月は河川敷に向かっていた。ここまでの道中で、すれ違った大学院生隼人(はやと)とも愛を交わした。虹7の4人と合わせて合計5人を攻略し、残る虹7は3人。まだまだ時間はある。  それでもなお蒼月は走り始めた。河川敷までのルート上でもデートをこなす必要があるのだ。最も効率の良い移動をし、他にも手を出せる相手を物色したい。  蒼月は隼人に借りたバイクの置いてある駐車場に着くと、次の目的地に向かってバイクを走らせた。 「これは! 紗魅ィがBLイベントにまで手を出した理由はこれだ!  隼人のBLイベントの報酬として使用可能になる移動手段【バイク】! これで移動効率は格段に跳ね上がるぞ!  さぁアルカリ三世は巻き返せるか!? 現在ウォータースライダーイベント真っ最中だ!」 「マヤー! Help! 助けてー!」  ウォータースライダーのチューブを通して、リィシャが助けを求める声が聞こえてきた。だがその響きに恐怖や緊急性は感じられない。  大方、途中で止まってしまったくらいの事だろう。 「Hurry! マヤ! 早く助けてよぉ!」  少し甘えた声。魔夜は一つ苦笑すると、チューブに入り、スピードを殺しながらリィシャを追った。  十メートルも下ると、カーブの地点で止まってしまっているリィシャが見えた。身体をまっすぐにせず、上体を起こして滑ろうとしたため止まってしまったのだろう。 「マヤ! マヤ!」  リィシャは魔夜の名を連呼しながら、追いついて並んだ魔夜に喜びと感謝を込めたキスの雨を降らせた。二人がチューブの中で並んでしまうと、露出した素肌が密着する。  魔夜はリィシャの頭を撫でながら、その身体をしっかりと抱きしめた。繰り返されるキスが、ひとつ長いキスに変わった。  リィシャの身体が熱を帯び、その息遣いが甘く変わっていく。  二人の優しく性急な動きは、ゆっくりとチューブの中を滑り始めた。  ドーム内各所に設置された大型モニタにアルカリ三世のイベントプレイ画面が映し出されている。もちろん会場に入ることができるのは18歳以上に限定され、全世界に配信されている中継も年齢制限によるスクランブルがかけられている。  厳密な規制をクリアしているだけに、会場や放送では、グラフィック、音声共に余すところなく公開されていた。 「さぁいよいよ佳境に入ってきた最終決戦!  【紗魅(シャミ)ィ・蒼月(そうげつ)】と【アルカリ三世】、攻略スコアはさらに差が開いている!  奇跡の大逆転はあるのか!? プレイ時間はあと1時間! 紗魅ィは7人斬りを達成できるのか? いや、何人斬りまでいくんだ?  さぁ、よそ見している暇はないぞ!」  残り時間:1時間。  ――THE GAME CONTINUES......!!――
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