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ゲームは終わった。
場内は先ほどまで映し出されていた【幻の駐輪場イベント】に、興奮冷めやらぬ状況だ。
「さぁ、ゲームは終了だ! 二人の勇者、ステージに出てきてくれ!」
ぽん・PEN吉の合図とともに、プレイブースの扉が開く。会場は大歓声にあふれた。
「とりあえず、二人ともお疲れ様! すっごいプレイを見せつけてくれたわけだけど、感想を聞かせてもらえるかな? まずは、紗魅ィ!」
紗魅ィ・蒼月は一歩前へ出て、大観衆の紗魅ィコールに手を上げて応える。
「今回は、運も味方してくれたと思う。昨日までにちゃんと種は撒いておいたんだけど、きっちり回収することが俺にとっての最低ラインだったからね。それ以上の結果を出すことができたのは、幸運をきっちり生かすことができたからだと思う」
紗魅ィ・蒼月はそう言って一歩下がった。勝利を確信しきった声音だった。
「いやぁ、ホントすごかった。移動効率とか、プレイの参考になるテクニック満載だったよなぁ! ありがとう!
さて、片やアルカリ三世。最後のイベントはヒヤヒヤさせられたぜ! しかしあの幻のイベントを最後で見せてくれるとは!
感想を聞いてもいいかな?」
アルカリ三世はその巨体の背後から一冊のスケッチブックを出して、マジックをさらさらとすべらせた。
「あぁ、アルカリ三世は喋るのが苦手なんだ。筆談で感想を書いてくれたから、読ませてもらうぜ!
ええと、『楽しんでプレイできた。見ている人も楽しんでくれていたらそれが一番』。
くぅ~! 良い事言うぜ!」
沸き返る観衆。その声のボリュームは紗魅ィ・蒼月の時よりも大きかった。
「さぁ、では結果発表だ! 二人とも! そして全世界の虹7ファンのみんなも、耳かっぽじってよく聞けよ!」
うおおーっ、という歓声が沸き、徐々に静まっていった。
みなぎる緊張感。
「総合攻略ポイント! 紗魅ィ・蒼月7,362! アルカリ三世3,921!
そしてプレイクオリティポイントを含めた最終結果!
【レインボー7アイドルストリートハンターG世界大会! 頂上決戦20XX】!
優勝は! アルカリ三世!!」
ドーム内が歓声で沸き返った。
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