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賢者はアルゾが矢を放つ瞬間にあわせて光の矢を放ちます。
それも一本だけではありません。二本、五本、いや七本の光の矢が次々と賢者の指先から放たれます。賢者の魔術を舐めていたパラメシアは、とっさの対応に失敗しました。
一本の光の矢がパラメシアの防御をすり抜けて、彼女の顔面を焼きました。態勢を崩したところにアルゾの矢が襲い掛かり、右肺を貫通されてパラメシアは悲鳴を上げます。そのまま、彼女の身体は石畳の上に叩きつけられ、軽く跳ねました。
「やったか?」王子は我に返り、兵士たちに命令します。「仕留めろ! 奴を再び飛ばせるな!」
兵士たちは、それぞれの武器を構えて、パラメシアに殺到します。パラメシアはぜえぜえと荒い息をついていて、酷く弱っているように見えました。
しかし――
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